前世恋人だった副社長が、甘すぎる


「怜士の心は死んでしまった。誰もがそう思っていたのですが……

今日、穂花さんといた怜士は、かつてのような明るい顔をしていました。

いや、僕だって見たことのないような、幸せそうな顔でした。

だから穂花さんが、怜士の悪霊を退散させたのでしょう」


少なくとも悪霊ではないだろう。

だけど、その考えはあながち間違いではないのかもしれない。

いずれにせよ、川原さんの話は私にとって嬉しかった。ただの庶民の私が、怜士さんといてもいいと認められたようで。



「ありがとうございます」


心からの笑顔を川原さんに送った。

すると川原さんも、王子様スマイルを放ちながら告げたのだ。


「ですから、僕は貴女に非常に興味があります。

貴女がどんな魔法で、怜士をあの状態にしたのか……」

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