前世恋人だった副社長が、甘すぎる
「穂花は俺だけのものだ」
余裕なく発せられるその言葉に、嬉しいと思ってしまったのは言うまでもない。
私はそっと怜士さんの身体に手を回し、下がってしまった頬を染めて告げる。
「怜士さんだけですよ」
怜士さんの気持ちはまだ落ち着かないようだが、私の言葉に少しだけ安堵した表情となる。
「だって、私は怜士さんの婚約者ですから」
私の言葉に、怜士さんは泣いてしまいそうな笑顔を向ける。
その余裕のないまっすぐな瞳に、私ももう後戻り出来ないほどのめり込んでいたのだ。