前世恋人だった副社長が、甘すぎる
そして……会議は決議がほとんど終わっているようで、最終的な確認事項で終わった。
怜士さんは相変わらず突っ込むべきところには的確に意見するが、決して氷の副社長ではなかった。
相変わらず表情はほとんどないが、社員の意見に頷いたりして聞いている。
そんな怜士さんを見て、ホッと胸を撫で下ろしたのは言うまでもない。
長時間の会議を終え、副社長室に戻ってスマホを見ると、同期の泉からLINEが入っていた。
『今日の夜、大学の時のメンバーで飲むんだけど、穂花も来ない?』
そう、何を隠そう泉とは、大学時代からの友達だ。
大学こそ違うが、同じテニスサークルに入っていたのだ。(そこで私は高校時代のあだ名お嬢ならぬ、某テニスアニメのお嬢様キャラを文字ってお蝶と呼ばれていたことは、怜士さんには絶対に秘密だ。)
今日の予定は……怜士さんは『親族の集まり』だ。
どうせ怜士さんもいないのだから、穂花たちと遊びに行ってもいいよね、という結論に至る。
念のため怜士さんに確認したが、意外にもあっさりと
「いいよ」
と言われた。
「大学時代の女子会だろ?行ってこれば?」