前世恋人だった副社長が、甘すぎる
「なるべく早く帰りますから」
私は笑顔で告げる。
「それか、怜士さんを呼びますから」
怜士さんはまた、目を細めて幸せそうに笑った。
こんなに純粋な少年みたいな顔をされると、私だって離れられなくなるんですが。
抱きついて、大好きだって伝えたくなるんですが。
だけど今は業務中だから、私情はいけないと言い聞かせる。
私はこうやって、どんどん怜士さんから離れられなくなっている。
そして今や私だって、怜士さん無しでは生きられないのかもしれない。