前世恋人だった副社長が、甘すぎる



こうやって結局、古びたラーメン屋にまで行ってしまった怜士さんは、安いラーメンを美味しそうに食べた。


「穂花、チャーシューあげようか?」

「え?」

「だって、そんなに美味そうに食べるから」


そう言って、怜士さんは私の器にチャーシューを放り込み、おそらく水道水であろう水をごくごくと飲む。


「じゃあ、私は卵あげますね」

こんな私たちを見て、

「本当にラブラブなんだね、二人は」

友達が言う。


「男性に対していつも冷めてたけど、お蝶をこんな顔にさせる男性がいたんだ!」


その言葉に赤くなりつつも、まさしくそうだと思った。

きっと、怜士さんが初恋なんだろう。遅い初恋だが、私は怜士さんと一緒にいられてとても嬉しい。


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