前世恋人だった副社長が、甘すぎる
7.離れても、貴方のことをただ思う
次の日の朝、起きると目の前に怜士さんがいた。
一瞬泣いているのかと思うほど、切ない顔をしていた。
だけど寝顔を見られて恥ずかしいのとびっくりしたのとで、私は焦って飛び起きた。
「れ、怜士さん!何してるんですか!?」
気付くと私は、見慣れぬ部屋のベッドに眠っていることが分かる。
私の部屋より少し大きめで、黒を基調としたきちんと整った部屋。
部屋についている大きなクローゼットには、男性の服がたくさんかかっていた。
私は昨夜、帰ってきて何をしたのだろう。
少なくとも生理中のため、怜士さんとそういう関係になったことはないと思うが……久しぶりのアルコールと深夜までのカラオケにやられ、文字通り死んだように眠ったのだろう。
ただ、身体はやたら清潔でボディーソープの香りまでするため、シャワーを浴びたことは間違いない。それが救いだった。
私としたことが、記憶を飛ばすまで飲んでしまっただなんて。