前世恋人だった副社長が、甘すぎる
私はきっと泣きそうな顔をしていたのだろう、怜士さんがそっと私の髪に触れながら告げる。
「大丈夫だ。仮にもし、また反対されたら……マジで次は家出するから」
「そ……そんな……それはやめてください!」
だけどその心が嬉しかった。
どんな時でも、怜士さんは私の味方になってくれるのだと思って。
同じ道を二度と踏んではいけないが、怜士さんとならなんとかなる気がした。
「愛してるよ、穂花」
頬にまたちゅっとキスをする怜士さん。
この、恥ずかしげもなく私に注いでくれる愛が嬉しく、目を細めていた。