前世恋人だった副社長が、甘すぎる
ぎゅっとマカロンを押し付けられ、とうとう負けて口を付けた私。
サクッとしたマカロンの外側と、糖分たっぷりでねっとりとした内側の感触を感じる。
そして、チョコレートと苺の甘い味と香りが口の中に広がる。
「お、美味しいです」
平静を装いつつも、真っ赤な顔の私はマカロンを頬張る。
甘酸っぱいその味は、まさしく恋の味だった。
副社長はいたずらそうに熱い瞳で私を見、ぞっとするような甘い声で告げる。
「俺にも食べさせて?」
まるで飼い犬のように擦り寄る副社長。
さすがに私の食べかけを差し出す訳にはいかず、白いマカロンを手に取った。
そしてそれを副社長に近付けると、嬉しそうにぱかっと口を開く。
私はおずおずとそのマカロンを副社長の口に入れる。副社長はそっと唇を閉じ、マカロンを持つ私の手をかぷっとくわえる。