前世恋人だった副社長が、甘すぎる
副社長の柔らかい唇と体温に挟まれ、
「⭐︎▲◯×◼️!?」
声にならない声を上げて手を引いた。
そして、副社長のせいで熱くてじんじんする右手を左手で押さえる。
副社長は余裕でいて、そして妖艶な瞳で私を見る。そして嬉しそうに告げた。
「ごちそうさま」
完全に副社長の優勢だろう。
私は副社長の一挙一動に狼狽え、翻弄される。
真っ赤な顔できっと睨んだ時だった。
デスクのほうから、不意に電話の音がした。
副社長はため息をついて立ち上がろうとする。
だけどふと思った。
私は秘書だ。副社長への電話を副社長に取らせて、私は何の仕事をしているのだろう。