前世恋人だった副社長が、甘すぎる
「穂花、どうだった例の本?」
昼休み。
食堂でご飯を食べながら前世のことを思い出してしまった私に、同期の泉が聞く。
いきなりの質問でどぎまぎしながらも、
「おっ、面白かったよ!」
なんてありきたりな感想を述べる。
正直、面白いような話ではなく、ひたすら暗く心が苦しくなる本だった。
この本を読み、ここ1週間気分が落ち込んでいるほどに。
そして前世の記憶を思い出し、また胸が悲鳴を上げるのだった。