前世恋人だった副社長が、甘すぎる
部屋から押し出された副社長は、尚も甘い目で私を見る。
「打ち合わせなんてどうでもいい。
俺は穂花と……」
「はやく!!」
私は叫んでいた。
すると副社長は少し悲しげに笑い、私の頭をそっと撫でる。
その手が触れた瞬間、またビリッと電流が流れた。
「穂花が言うなら仕方がない、言ってやろう」
そして、いつの間にか隣に立っている田川さんに呼びかける。
「田川」
その瞬間、
「はははははぃ!!」
田川さんは身体を震わせ、まるで兵隊のようにピシッと背を伸ばす。