前世恋人だった副社長が、甘すぎる


「仕方ないですね……」


私はパソコンを触り、副社長の予定を見る。

びっしり詰まったスケジュールで会食を移動できそうな日を探す。

そして、東京百貨店社長秘書室に電話をかけた。



こうやって秘書の仕事をしながらふと思った。

ホテルの接客もなかなかの天職だと思ったが、この仕事こそ天職かもしれない。

というのも、前世領主の娘だった私は、当時の父親である領主の仕事を支えていたのだ。

父親のスケジュールを組んだり、関係会社と連絡を取ったり、はたまた社交の場まで……どこでそんなテクニックを学んだのかと思うのだが、やらなければいけないことが次々頭に浮かんでくるのだった。

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