前世恋人だった副社長が、甘すぎる
何を考えていたのだろう、まさか新たな罠!?なんてことは聞けるはずもない。
私は怪訝な顔をしていたのだろう。
怜士さんがくすくす笑いながら、
「おいで、穂花」
私を呼ぶ。
抵抗したいのに、まるで見えない糸で引っ張られるかのように怜士さんに近付く。
すると、彼は割れ物でも扱うかのように、そっと私を抱きしめた。
朝から怜士さんは甘すぎる、こうやって私に触れ、いちいち離れられなくするのだから。