前世恋人だった副社長が、甘すぎる
5.彼の色にどんどん染められていく




午後四時半。

役員会議から帰ってきた怜士さんがデスクに座る。

そして、大きな重厚感のあるデスクの上に置いたパソコンを触る。

ここ二日間、怜士さんの隣にいてよく分かった。怜士さんの性格は非難されがちだが、優秀な副社長だということが。

親の七光りなどといった言葉はよく聞くが、怜士さんに限ってはそれは当てはまらないだろう。

彼は場の雰囲気に流されることはなく、詰めが甘いところは容赦なく言う。

そして、決めるときはスパッと決定させる。

電話対応も温かみこそないが、この人はどうしてこんなに頭の回転が速いのだろうと驚かされることも多かった。

怜士さんが社長になっても、黒崎ホテルグループは安泰だろう。

ただ、非常に性格が冷たいため、多くの退職者が出るかもしれないが……

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