あいたいヒト
揺れる恋花
それから、
放課後の下校の時間。
まだ馴染めなくて、
1人でいると、
1人の男の子が話し掛けてきた。
「なぁ…俺の事覚えてる?」
「?」
よく顔を見ると、
それは見覚えのあった顔だった。
いつ見覚えたのかは、
…私が隆と別れた日だ。
あの日、
私は1人の男の子にぶつかった。
その男の子は、
私に手を差し伸べてくれて。
私にハンカチを貸して
気遣ってくれた。
でも、私は龍が来たのを理由にして
その優しい男の子から
離れていったんだ。
「ハンカチ!!」
「あ、覚えてたか♪
…良かったぁ…;;」