あいたいヒト



「ごッ…ごめんなさいっ」




それだけを言い残して、

私は男の子の後ろの道を

走って行った。





隆…隆…


私、今でも好きだよ。



でも…

もう、隆とは居れないよ。





悲しくて…

切なくて…

泣いてしまうから…。




もう耐えられないの。





後ろから愛しい人の声が

背中に当たる。




憂鬱な声が…

寂しげな声が…



本当は、

今すぐにでも

抱きしめたい。



抱きしめられたい。




だけど…。



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