先輩の理性、疼かせてもいいですか?
グイグイと私の腕を引いたまま、ふたば先輩はぐるっと回って体育館裏まで歩いた。

推しにずっと掴まれてる。
これ…なんのイベント?無料ですか?

そんなバカなことを考えている私の背中を先輩は体育館の外壁に押しつけて、顔の横から両腕でロックされてしまった。

先輩は身長が高い。
私は150センチ。
たぶん、20センチ以上は高い。

ちょっと背中を丸めて、私の顔の高さに視線を合わせた先輩が、ペロってほんのちょっと舌を覗かせた。

とッ………尊ーーーいッ!!!
なんですか!?この生き物は!?

ふたば先輩…八重歯だ!
かンわいィーッ!

「ふっ…ふたば先輩っ…ですよね?」

「ね、きみさぁ…ヒートの子じゃないよね?」

ドクンッて心臓が大きく脈を打った。
やっぱり先輩、暴走しちゃってるんだ。

でもなんで私だって分かったんだろう。
他にもヒートの子はいたと思うんだけど。

私の今の興奮は暴走してるから?
それとも推しへの興奮!?
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