先輩の理性、疼かせてもいいですか?
「え…っと…ふたば先輩もやっぱり…そう、ですか?」

「プラスだよ」

初対面なのに「ふたば先輩」って名前呼びしちゃったこと、先輩はなにも言わなかった。

いや、それどころじゃないのかも…。
先輩の瞳が潤んでいる。
こんなに至近距離で顔を覗き込まれてしまったらどうしたって気づいてしまう。

あっさりと「プラスだよ」って言ったふたば先輩の呼吸の間隔がさっきよりも短くなっている。

「私、ヒートです」

「も…わかってるからッ…」

「でもっ…なんでですか…他にもヒートの子、きっといるッ…」

言い終わらないうちにくちびるの端っこを、ふたば先輩の舌がペロって舐めた。

「ひゃぅッ…」

「なにその声…それ以上煽んないでくれる?」

「羽田せんぱいッ…抑制剤は…」

「さっきはふたばって呼んだくせに」

「えぇ!?」

「ふたばって呼んだでしょ?そっちでいいから…ッア…ちょっとたんま…」

「ふたば…せんぱい…?」

ズルズルって先輩の体が落ちていく。
しゃがみ込んだ先輩は頭を抱えて「あー…」って小さく声を漏らした。
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