きっかけもはじまりも
***
ぶるぶると全身震えながら部屋のカーテンを開けると、外は真っ白だった。窓にもびっしり雪がくっついている。
「うっわ、大雪だぁ」
雪国だから雪が降るのは当たりまえ――。それはそうなんだけど、こんなに積もられると色々と差しさわりがある。
なんと言っても、絶対にはずしたくない数学の補講が今日から始まるのだ。進学校のわが高校では、春、夏、冬の長期休みになると、希望者対象に必ず補習授業が行われる。
なんとしてでも行きたい。
私は電車の運休状況を調べ始め、ため息をつく。やっぱりバスしか手段はないようだ。
この大雪の中、学校の冬期講習へ行くと言うと、母は眉をひそめた。
「今日はさすがに休んだ方がいいんじゃないの?電車は止まってるみたいだし」
「うん、でも。バスは大丈夫みたい。たぶん、乗り継いで行けるから」
母は小さくため息をついた。
「まぁ、勉強熱心なのは嬉しいことだけど……。それなら今日は、完全防備、長靴履いて行きなさいよ」
「はぁい」
ぶるぶると全身震えながら部屋のカーテンを開けると、外は真っ白だった。窓にもびっしり雪がくっついている。
「うっわ、大雪だぁ」
雪国だから雪が降るのは当たりまえ――。それはそうなんだけど、こんなに積もられると色々と差しさわりがある。
なんと言っても、絶対にはずしたくない数学の補講が今日から始まるのだ。進学校のわが高校では、春、夏、冬の長期休みになると、希望者対象に必ず補習授業が行われる。
なんとしてでも行きたい。
私は電車の運休状況を調べ始め、ため息をつく。やっぱりバスしか手段はないようだ。
この大雪の中、学校の冬期講習へ行くと言うと、母は眉をひそめた。
「今日はさすがに休んだ方がいいんじゃないの?電車は止まってるみたいだし」
「うん、でも。バスは大丈夫みたい。たぶん、乗り継いで行けるから」
母は小さくため息をついた。
「まぁ、勉強熱心なのは嬉しいことだけど……。それなら今日は、完全防備、長靴履いて行きなさいよ」
「はぁい」
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