きっかけもはじまりも
***
最寄りのバス停にたどり着くまでにも、なかなか結構な時間を要した。おまけにバスは15分くらい遅れてやって来た。
乗り継ぎに間に合うかなぁ、と少し不安になったが、もうバスに乗ってしまった。行くしかない。
バスに揺られながら眺めた街は、除雪が追い付いていないようだった。
苛々するような速度でバスは進み、ようやく乗り継ぎのバス停に到着する。
どれどれ、時間は――。
「ああぁ…………」
私を学校まで運んでくれるはずのバスは、もう行ってしまった後だった。やっぱりとは思ったが、15分のずれは痛かった……。
どうしようかと、しばし考え込む。タクシーを使うには財布の中身が足りないし、仮にお金があったとしても高校生の分際でそれをするのは抵抗がある。とにかく、ここまで来たのに引き返すという選択肢はない。
歩いてもきっと、ここから30分くらいで着くんじゃないか。
そう考えて、私は覚悟を決める。
「よし、歩こう」
通学かばんを肩にかけ直すと、雪で歩きにくくなっているでこぼこ道を歩き始めた。
しかし、思っていた以上に道は険しかった。教室に着いた時には、講習時間は残りおよそ20分という微妙な時間だった。
最寄りのバス停にたどり着くまでにも、なかなか結構な時間を要した。おまけにバスは15分くらい遅れてやって来た。
乗り継ぎに間に合うかなぁ、と少し不安になったが、もうバスに乗ってしまった。行くしかない。
バスに揺られながら眺めた街は、除雪が追い付いていないようだった。
苛々するような速度でバスは進み、ようやく乗り継ぎのバス停に到着する。
どれどれ、時間は――。
「ああぁ…………」
私を学校まで運んでくれるはずのバスは、もう行ってしまった後だった。やっぱりとは思ったが、15分のずれは痛かった……。
どうしようかと、しばし考え込む。タクシーを使うには財布の中身が足りないし、仮にお金があったとしても高校生の分際でそれをするのは抵抗がある。とにかく、ここまで来たのに引き返すという選択肢はない。
歩いてもきっと、ここから30分くらいで着くんじゃないか。
そう考えて、私は覚悟を決める。
「よし、歩こう」
通学かばんを肩にかけ直すと、雪で歩きにくくなっているでこぼこ道を歩き始めた。
しかし、思っていた以上に道は険しかった。教室に着いた時には、講習時間は残りおよそ20分という微妙な時間だった。