濁った僕を抱きしめて



2



ーーピピピ、ピピピ。


聞き慣れたアラーム音で目が覚めた。
ベッドサイドを探り、何とか携帯に触れるとアラームを止めた。


拓海くんは隣でまだ寝ている。


起こさないよう、ゆっくりと身体を起こす。
何とか身体を起こした瞬間、腕が引っ張られてベッドへと逆戻りし、拓海くんに後ろから抱きしめられるような体勢になる。


「……まだ時間あるよ」


むにゃむにゃと寝言でも言っているのか、よく分からないことを口走っている。


まだこうしていたい気持ちを抑え、拓海くんの腕からするりと抜ける。
リビングに降り、昨日の夜に準備しておいたご飯を食べる。


拓海くんの分も用意をして、ラップをかけておいた。


歯磨きをして、着替えをする。
いつもだったらこの間に掃除や洗濯やらが挟まるけど、今日は拓海くんがやってくれるらしいので任せることにする。


今日はどんな服を着ようか。
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