濁った僕を抱きしめて
今日は母親と会う日だ。


あの後連絡を取って、今日会うことになった。
今もどういうことなのか分かっていない。


どうして亡くなったの、と尋ねても「会って話す」としか返ってこない。


本当なのか少し疑ってしまう。
それでもメールは親のアドレスから送られていたし、わたしの名前も知っていたし。


それだけで本人なのか、と決めつけてしまうには早すぎる気がするけれど。


そんなことを考えながらクローゼットを見ていく。
結果的にこの前拓海くんに買って貰った服に袖を通すことにした。


着替えてリビングに戻ると拓海くんはもう起きていて、作っておいた朝ご飯を食べていた。


「おはようございます。もう起きてたんですね」
「うん、てかそれこの前俺が買ったやつでしょ？似合ってる」
「ありがとうございます。わたしそろそろ行きますね」
「え、早くない？」


左腕につけた時計を見る。
確かに早いけれど、遅れるより何倍もいい。
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