濁った僕を抱きしめて
色々な人がいるもんだなと思っていれば、両手にソフトクリームを持った璃恋が肘で窓を叩いていた。


「何でアイス買ってんの」


ドアを開けて、片方のアイスを受け取る。
璃恋が滑り込むようにして座席に座った。


「食べたかったんですよ、見てたら美味しそうで。あ、でもちゃんとメロンパンも買ってきてますからね」


手首にぶら下がった紙袋を揺らす。
いくつかパンが入っているのか、重そうに手首を締め付けていた。


「パン何個買ってきたの？俺ら大して大食いじゃないのに」
「まずアイスですよ、早く食べないと溶けますから」


そう急かされてソフトクリームをペロリと舐めた。
ミルクの優しい甘みが口の中に広がる。


「美味しい。久しぶりにソフトクリーム食べたわ」
「わたしもです。かれこれ一年ぐらい食べてないなぁ」


無言で食べ続けていると溶けたソフトクリームが垂れてくる。
それをこぼさないように急いで食べた。
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