濁った僕を抱きしめて
俺はソファに座った。


テレビをつけ、ニュース番組のチャンネルを押す。
あの日から絶え間なく俺に関するニュースがやっている。


高校での悪行だとか、幼い時はどこにいたとか、根も葉もない噂ばかり。


実際俺は高校になんか行っていないし、それだけでメディアが腐っていることが簡単に分かった。


テレビのチャンネルを変える。
昼時のテレビほど面白くないものは無い。


電源ボタンを押すと大きく息を吐いてソファにもたれかかった。


このソファに座るのも、最後になるとは知らずに。
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