濁った僕を抱きしめて
ボストンバッグのひとつは服で埋まって、もうひとつにしまっていると拓海くんはスーツケースに物をしまい始めた。
ドライヤーとかヘアアイロンとか、そういった物を手当たり次第に入れている。
わたしは服や下着をしまい終えるとボストンバッグのチャックを閉じた。
「こっち終わりました」
「俺も終わった。行こう」
前みたいな寂しさはない。
むしろ身体を脅かす危険の方を強く感じる。
最後にふたりで忘れ物がないか確認をする。
スクールバッグと制服に気づいた拓海くんがわたしを見る。
「いいの?あれ。高校行けないじゃん」
「いいんです、もう行く気ないので」
「親御さん悲しむよ」
親はわたしのことなんかどうでもいいから大丈夫だ。
それは拓海くんも知っているはず。
電気を消して、荷物を持って家を出た。
一週間しかここにはいられなかった。
次の家に行っても同じなのだろうか。
ドライヤーとかヘアアイロンとか、そういった物を手当たり次第に入れている。
わたしは服や下着をしまい終えるとボストンバッグのチャックを閉じた。
「こっち終わりました」
「俺も終わった。行こう」
前みたいな寂しさはない。
むしろ身体を脅かす危険の方を強く感じる。
最後にふたりで忘れ物がないか確認をする。
スクールバッグと制服に気づいた拓海くんがわたしを見る。
「いいの?あれ。高校行けないじゃん」
「いいんです、もう行く気ないので」
「親御さん悲しむよ」
親はわたしのことなんかどうでもいいから大丈夫だ。
それは拓海くんも知っているはず。
電気を消して、荷物を持って家を出た。
一週間しかここにはいられなかった。
次の家に行っても同じなのだろうか。