濁った僕を抱きしめて
指定の場所に向かえば、男は俺を待ち構えていた。


胡散臭い笑みを浮かべながら近づき、男が口を開く前に引き金を引く。急所は外して。


ーー敢えて急所を外して、死にきれないでのたうち回るのを見る。それが楽しい。


逃げようとしたからナイフを突きつける。
男は護身用に持っていたのか、小ぶりの銃を俺に向けた。


手ごと捻り、その銃の先を男の顔の方に向ける。
関節が外れたのか、鈍い音が響いた。


そのまま引き金を引いた。


顔に向かって弾丸が放たれ、おでこの辺りに入っていく。
ナイフで手を切り裂く。


男は気を失ったのか、後ろに倒れた。


ーーなんだ、もう終わりか。


ぐちゃぐちゃになるまで弄ぶつもりだったのに、すうっとやる気が失せていく。


頭に銃を突きつけて終わらせた。
最近はどうも楽しくない。


スマホを出して殺しを依頼してきた奴に電話をかける。
電話の向こうの主は高揚しているようで、あとで金は振り込んでおくと言い残して電話を切った。
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