濁った僕を抱きしめて
ーしあわせー
第2節
ーしあわせー
1
最近毎日雨が降っている。
どうやら日本は梅雨に突入したみたいだ。
わたしは何も変わらず、拓海くんとの日々を過ごしている。
朝はふたりとも遅く起きる。
最初のうちはわたしも張り切って早く起きていたけれど、ふたりとも遅起きだと気づいてから遅く起きるようになった。
朝ごはんはわたしが作る。
パンの日もあればご飯の日もある。
たまにスープや味噌汁をつけると拓海くんは喜んで食べる。
ふたりで昼まで寝過ごして、一日二食になるような日もある。
今までだったら考えられないような生活リズム。
でこぼこすぎるけれど、元々のわたしがガタガタだから丁度いいんだろう。
「今日は何をしますか、拓海くん」
朝ごはんを食べながらそう話す。
「そうだな、どっか行く?」
ある日は水族館に行った。
優雅に泳ぐエイが可愛くて、水槽に張り付いて見ていたら拓海くんに笑われた。
ペンギンコーナーの匂いがどうもダメで、しかめっ面をしていたら拓海くんも同じだった。