濁った僕を抱きしめて
2



突然だけど、この家にはベッドがひとつしかない。


そうなるとふたりでひとつのベッドに寝るか、ひとりがソファで寝ることになる。


いつも拓海くんはソファで寝ている。


体が痛くなるだろうから変わりますよ、と言っても聞かない。
女の子なんだから体を大事にしなさいと言われた。


恋心を自覚してしまった以上、そういうことを言われると恥ずかしくなってしまう。


この想いがいつバレるかも時間の問題な気がする。


「よし、もう寝よう。おやすみ」
「おやすみなさい」


拓海くんはソファに横になり、薄手のブランケットを体にかける。


外からは雨の音が聞こえる。
窓を締切っていても大量に降る雨の方が強いみたいだ。


加えて今日は雷も落ちている。


たまに一瞬光ったと思えば、ゴロゴロと近くで雷が落ちる音が聞こえる。


布団の中で体を丸める。
手のひらで耳を塞ぐ。


手のひらだけじゃ塞ぎきれなくて、空いた隙間から音が入ってくる。
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