濁った僕を抱きしめて
仕事をしなくなったら捨てる。
仕事をしないのであればいらない。


逆に仕事をしてくれるのであれば生かす。


それ以外では生かす価値がない。
考えすぎか、そんな自分がアホらしくなった。


「……お母さんにとってさ」
『なによもう』


「お母さんにとって、私って何なの?」


数秒の沈黙が流れる。
なんて返ってくるだろうか。


期待はしていない。
第一声からあんなんだったんだ。
すべて独りよがりで、自分のことしか考えてなくて、最低な人。


『……大事な娘よ』


中身がなさ過ぎる台詞にびっくりした。
口だけならどうとでも言える。


「わかった、ありがとう。でもわたしは帰らないよ」
『はぁ⁉親の言うことを聞きなさいよ!』


話が通じない。
この人とは根本からわかり合えないのだと悟った。


「もうわたしの好きにするから。電話もメールもしてこないで」
『璃恋、何言ってるの』
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