濁った僕を抱きしめて
遠くにいる拓海くんと目が合った。
拓海くんは小さく頷く。
ーーこれが合図だ。
否応なしにそう思ったわたしは、銃を片手に駆け出した。
敵の背後に回り、銃の引き金を引いた。
反動で銃の重さが増す。
両手でそれを抑えると、拓海くんの手からも弾丸が放たれた。
男は動かなくなり、その場に倒れた。
「……終わり、ですか」
「だね。ありがと、璃恋」
それを用意しておいた袋に入れ、近くにあったトラックの荷台に積んだ。
「毎回思うんですけど、これってどこに行くんですか?」
「俺もわかんない。取り敢えず入れろって言われてるから入れてる」
拓海くんがわたしの方を向き、手を差し出す。
わたしはその手を取って、握った。
「よし、帰るか」
十二月の夜は寒い。
その寒さは暗すぎて、わたしひとりで過ごすには耐えられなかっただろう。
でも、今は違う。
隣で、わたしの手を握ってくれる人がいる。
拓海くんは小さく頷く。
ーーこれが合図だ。
否応なしにそう思ったわたしは、銃を片手に駆け出した。
敵の背後に回り、銃の引き金を引いた。
反動で銃の重さが増す。
両手でそれを抑えると、拓海くんの手からも弾丸が放たれた。
男は動かなくなり、その場に倒れた。
「……終わり、ですか」
「だね。ありがと、璃恋」
それを用意しておいた袋に入れ、近くにあったトラックの荷台に積んだ。
「毎回思うんですけど、これってどこに行くんですか?」
「俺もわかんない。取り敢えず入れろって言われてるから入れてる」
拓海くんがわたしの方を向き、手を差し出す。
わたしはその手を取って、握った。
「よし、帰るか」
十二月の夜は寒い。
その寒さは暗すぎて、わたしひとりで過ごすには耐えられなかっただろう。
でも、今は違う。
隣で、わたしの手を握ってくれる人がいる。