濁った僕を抱きしめて



2



「イルミネーションでも見に行かない?」


家の近くのスーパーで貰ったチラシを手でひらひらさせながら言った。


「イルミネーション?どこにあるんですかそれ」
「ちょっと遠いんだけど、せっかくなら行こうかなって」


璃恋は洗濯物をたたみながら微笑む。


「いいですよ、行きましょう。その代わりひとつ条件があります」


いつかの俺が言ったような台詞を吐く。
璃恋もそう思ったのか、笑いながらチラシに手を伸ばした。


「これ、ショッピングモールの近くですよね。買い物、付き合ってくれませんか?」


何だと思えばそんな可愛い頼みだったとは。
そんなもの何回だって答えてやる。


「そんなんでいいんだ?」
「はい。冬用の洋服とか色々欲しいんですよね」
「服?璃恋のためならジュエリーだって何だって買うけど」
「拓海くんが言うと本当になりそうだから怖いです」


璃恋が肩をすくめる。
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