凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
ルーリアの必死の言葉はアメリアには届かない。開け放たれている大窓へと進み行き、持っていたネックレスを躊躇うことなく外に放り投げた。
小さな悲鳴をあげてルーリアは慌てて立ち上がり、身を乗り出すようにして窓の下を見た。
思っていたよりも高さがあり、ほんの一瞬、息を飲むが、母親のネックレスを見つけるべく必死に視線を彷徨わせた。
窓の下は低木や花壇などがあるが、光に反射して輝く物は見当たらず、どこに落ちたのかわからない。
「どうしてこんなことを!」
駄目だと思いながらも、怒りが湧き上がるのを堪えきれずに、ルーリアはアメリアへと責める様な眼差しを向けた。もちろんアメリアに自分のしたことを謝罪する様子はなく、逆に、反抗的な態度のルーリアを不機嫌に睨み返す。
向かい合うふたりの間に重苦しい沈黙が生まれたが、大広間の出入り口近くにいた人々がこちらを気にかけていることに気づいた途端、アメリアが芝居じみた様子で大きく声を張り上げた。
「ああ、お姉様! 見た目が気に入らないからって、窓から投げ捨てるなんて! あれは、お母様の大事な物なのに、どうしてそんなひどいことを!」
自分の言葉に反応して、「どうしたのかしら」と人々がざわついたことにアメリアは笑みを浮かべ、ルーリアを押さえつけるように抱きついた。
小さな悲鳴をあげてルーリアは慌てて立ち上がり、身を乗り出すようにして窓の下を見た。
思っていたよりも高さがあり、ほんの一瞬、息を飲むが、母親のネックレスを見つけるべく必死に視線を彷徨わせた。
窓の下は低木や花壇などがあるが、光に反射して輝く物は見当たらず、どこに落ちたのかわからない。
「どうしてこんなことを!」
駄目だと思いながらも、怒りが湧き上がるのを堪えきれずに、ルーリアはアメリアへと責める様な眼差しを向けた。もちろんアメリアに自分のしたことを謝罪する様子はなく、逆に、反抗的な態度のルーリアを不機嫌に睨み返す。
向かい合うふたりの間に重苦しい沈黙が生まれたが、大広間の出入り口近くにいた人々がこちらを気にかけていることに気づいた途端、アメリアが芝居じみた様子で大きく声を張り上げた。
「ああ、お姉様! 見た目が気に入らないからって、窓から投げ捨てるなんて! あれは、お母様の大事な物なのに、どうしてそんなひどいことを!」
自分の言葉に反応して、「どうしたのかしら」と人々がざわついたことにアメリアは笑みを浮かべ、ルーリアを押さえつけるように抱きついた。