凍てつく乙女と死神公爵の不器用な結婚 〜初恋からはじめませんか?〜
ルーリアも、体全部で姉を制止している妹のように人々の目には映っているだろうと予想し、どうして良いか分からないままその場に立ち尽くす。
「黒精霊に祝福を受けたお姉様は、バスカイル家にとって、もちろんお父様とお母様にとってもお荷物でしかないわ。誰にも愛されず、かわいそうなお姉様。でも凍てつく乙女だから仕方ないわよね」
アメリアに小声でちくりと言われ、ルーリアは悔しさを覚えた。アズターと話す前なら、アメリアの言葉をその通りだと受け止めていただろうが、今は見捨てられた訳じゃないと両親を信じたくなっていたからだ。
「でもね、心配しないで。お姉様が闇の魔力に引き込まれないよう、虹の乙女であるこの私が、ずっと面倒見てあげるから。無能なお姉様でも魔法薬の生成くらいはできるし、これからも私の仕事を手伝わせてあげるから感謝してね」
ルーリアはあの小屋で魔法薬の生成を行っている。最初は魔力の昂りの予兆が見られた時、魔力を放出することで暴走を防ぐべく始めたことだったが、いつしか働かざる者食うべからずと言われ、常に生成を求められるようになった。
時には無茶な数を言い渡され、眠ることもできずに一晩中作り続けることもある。そうしないと、次の日の食事の回数や量を減らされてしまうからだ。
もちろんどれだけ作っても代価は与えられない上に「出来が悪いものばかり作って」と罵られる。時には上手くできたと自分でも思えたものは、先ほどの王妃とアメリアのやり取りから、すべてアメリアの成果となっていたこともわかった。
「黒精霊に祝福を受けたお姉様は、バスカイル家にとって、もちろんお父様とお母様にとってもお荷物でしかないわ。誰にも愛されず、かわいそうなお姉様。でも凍てつく乙女だから仕方ないわよね」
アメリアに小声でちくりと言われ、ルーリアは悔しさを覚えた。アズターと話す前なら、アメリアの言葉をその通りだと受け止めていただろうが、今は見捨てられた訳じゃないと両親を信じたくなっていたからだ。
「でもね、心配しないで。お姉様が闇の魔力に引き込まれないよう、虹の乙女であるこの私が、ずっと面倒見てあげるから。無能なお姉様でも魔法薬の生成くらいはできるし、これからも私の仕事を手伝わせてあげるから感謝してね」
ルーリアはあの小屋で魔法薬の生成を行っている。最初は魔力の昂りの予兆が見られた時、魔力を放出することで暴走を防ぐべく始めたことだったが、いつしか働かざる者食うべからずと言われ、常に生成を求められるようになった。
時には無茶な数を言い渡され、眠ることもできずに一晩中作り続けることもある。そうしないと、次の日の食事の回数や量を減らされてしまうからだ。
もちろんどれだけ作っても代価は与えられない上に「出来が悪いものばかり作って」と罵られる。時には上手くできたと自分でも思えたものは、先ほどの王妃とアメリアのやり取りから、すべてアメリアの成果となっていたこともわかった。