どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
【再会は溺愛の始まり】
 「今日は、結構ハードだったよな」
 仕事が終わり、エントランスから出て、夏目君と駅へ向かって歩き出した。

 「春風見ろよ。月、綺麗だぞ」
 「本当だ。あんまり空って見上げないから…」
 雲一つ無い夜空に、綺麗に輝いてる。

 そうだ、携帯で写真撮ろうかな…
 バッグの中の携帯を探すと…

 無い…そうだ!会社用の鞄から、荷物を取り出していた途中で、チームリーダーに声を掛けられて…
 そのまま忘れてしまったんだ…

 「なぁ、春風…」
 「夏目君、ごめん!私、会社の鞄に、携帯入れたままみたい…取りに戻るから、先に帰ってて」
 「…ったく、ドジだなぁ」
 「ごめん…話…だよね」
 「…いいよ。明日は休みだし、携帯無いと困るだろ?また来週な」
 「うん、また、月曜日ね」

 夏目君に手を振って、私は慌てて会社に戻り、鞄の中を探した。

 「あった!良かったぁ」
 携帯を取り、急いで駅に向かうと、さっき別れた場所に、もう夏目君の姿は無かった。
< 1 / 109 >

この作品をシェア

pagetop