どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 思い出して、胸が苦しくなっていると、陽が帰って来た。

 「ただいま」
 「おかえりなさい」
 「陽介、ただいま」

 手を広げる陽介を抱っこすると、一緒に部屋に入って行く。
 ここまでは、いつもの光景だけど…

 「咲羅が作る和食は、やっぱり美味しいよな」
 「どうしたの?いつも食べてるのに」
 「お店で食べるより、やっぱり咲羅の手作りが美味しいと思ってね」
 「そう…ありがとう」

 やっぱり…今日聞こう。
 陽に…真実を確かめないと。陽も苦しむだろうから。

 陽介を寝かしつけ、陽が寝ている横に腰かけた。
 「陽…」
 「ん?横にならないの?」
 「お話があります」
 「…敬語…どうした?」
 「私に…隠し事してませんか?」

 陽が息を呑むのが分かった。
 やっぱり…何か隠してる。

 「私に魅力が無くて、浮気したなら私の責任です。でも、隠し通せないほどの浮気なら、別れる覚悟でしてください」
 「ちょ、ちょっと待て!何か誤解してるぞ!」
 泣かないと決めていたのに、やっぱり涙が零れ落ちた。
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