どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 「だって…おかしいでしょ…」

 私が涙を流しながら見つめると、起き上がった陽は、ため息をついて覚悟を決めて話し出した。

 「俺の迷いが、咲羅を追い詰めることになって、ごめん」
 「どういう…こと?」
 「実は、ロス行きの話が出てるんだ。他の役員に頼むか父さんとずっと話をしてたけど、どうしてもこれからの事考えると、俺が行った方がいいって話になってるんだ」
 「どうして黙ってたの?」
 「咲羅を連れて行きたい。でも、いつ戻れるか分からない。慣れない土地で、知らない人ばかりで、日本語も通じない環境に、小さい子供と一緒に過ごせるのか考えると、言い出せなかった…」

 思い詰めたような面持ちで、力無く話す言葉から、陽の心の葛藤が伝わる。
 
 もちろん、不安はある。
 でも…
 もうあの頃とは違う…
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