どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 「咲羅…俺を選んでくれて、ありがとう」
 大好きな声で、いつまでも変わらない笑顔の陽と見つめ合う。

 「妻として支えてくれて、ありがとう」
 陽は、ベビーカーから陽に向かって手を伸ばして笑う、陽介を抱き上げた。

 「俺達の元に来てくれてありがとう、陽介」
 陽は陽介を優しく抱きしめていた。

 選択…

 あの夜、夏目君と一緒に帰っていたら…
 マンションの前で、陽と会えてなかったら…
 私は夏目君を選択していたと思う。

 そうすれば、私の隣に居るのは、陽ではなく、夏目君だったかもしれない。

 一瞬の時のズレと行動の選択で、人生が大きく変わった。

 「俺を選んだ事を後悔しないように、一生大切にするから」
 「私の選択に、後悔なんて無いよ…だって、こんなに愛されてるんだから」

 優しい腕が、陽介と一緒に私を包み込む。
 「愛してるよ、咲羅」
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