どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
【あなたに再び愛されて】
 車を駐めて、陽先輩は私の荷物を持ち、手を引いて歩き出した。
 ホテルのような重厚感に驚きながら、遅れないように歩く。

 「後で鍵も渡すから」

 サラッと流すように話しながら、玄関のドアを開けて、私の背中をそっと押すと、
 「ソファに座って待ってて。先にシャワーを浴びてくる」
 気持ちの整理がまだついていない私は、陽先輩の言われるままに、ソファに腰掛けて待っていた。

 今が現実なのか、夢なのか分からないくらい、体がフワフワして、胸の鼓動はリズミカルに弾んでる。

 陽先輩を待っている間、部屋を見渡していた。

 陽先輩が、あんな大きな会社の御曹司とは知らずに付き合っていた。
 だから、陽先輩の立場なんて、全く分からない。

 きっと、あの頃の私は…
 あのまま付き合っていても、上手くいかなかった。
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