どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 「何、物思いにふけってるの?」
 「ひ、陽先輩の家、スッキリしてるなぁって」

 白を基調にした部屋に、モノトーン調の家具。
 広い部屋は、あまり生活感を感じない。

 「会社に居ることが多いからね」
 陽先輩を見ると、無造作な髪に、腰にバスタオルを巻いて、立っていた。

 初めて見るわけじゃないけど、恥ずかしくて、思わず目を逸らした。

 「見慣れてるだろ?俺の裸なんて」
 「もう、何年も前だし…」
 「それとも、他の男の体を見慣れて、俺のことは忘れた?」
 「それは…」
 「まぁ、それは俺が選んだ道だから仕方ないけど…」

 鋭い目つきと目線がぶつかる。
 「やっぱり嫉妬するね…」
 「あの…」
 「咲羅の荷物が置けるように片付けをしてる間、シャワー浴びておいで」

 振り向いて部屋に入る後ろ姿は、あれからもっと、鍛えられた体になっていて、思わず顔が熱くなった。

 シャワーを浴びた後も、ドキドキが止まらなくて、落ち着かない。

 「何か飲む?」
 「う、うん、お水がいい」
 「ここは好きに使っていいよ。遠慮しないでいいから」
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