どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 手を引かれ、ベッドに腰掛けて2人見つめ合う静かな時間。
 私の胸の鼓動が陽先輩に聞こえるんじゃないかと思うくらい、ドキドキしてる。

 あの日から…ようやく時が動き出す。

 「会った時は、咲羅の態度を見て、辛かった…俺が咲羅を傷つけた報いだって」
 悲しそうな目で、手を握る。
 手が…熱い。

 「でも…どうしても、あの時、勝手に出て行った理由を伝えたかった…咲羅を愛していたんだって事、知って欲しかった」

 優しい手が私の頭を撫でる。
 「俺に咲羅を好きになる資格なんて無いって、ずっと気持ちを誤魔化していた。でも、咲羅への想いが日に日に膨れ上がって、隠しきれなくなったんだ」

 潤む目で見つめられ、吸い込まれそうになる。
 「夏目さんが、咲羅を好きだって聞いて、焦ったよ。勇気を出して、良かった」

 陽先輩に包み込まれるようにベッドに寝かされると、熱を帯びる目に見下ろされながら、私の服に手が掛かり、少しずつ肌をさらされる。
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