どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 あの日と同じ光景だ…
 思い出して、胸がぎゅっと締め付けられた。

 「ずっと寂しかった」
 「もう、寂しい思いはさせない」
 陽先輩は、手を体に這わしながら、色気漂う目で見つめる。

 「1人で泣いてたんだから」
 「ごめん…」
 「でも…嫌いになれなかった」
 「…ずっと会いたかった」
 「ようやく…忘れたのに…」
 「でも、こうやって、また惹かれ合った」
 「私は…陽先輩の事が、んんっ…」

 言葉を遮るように唇を激しく奪われた後は、陽先輩の唇と手で、体がほぐされていく。

 「陽…先輩…」
 熱を帯びた私の体は、あの頃を思い出し、陽先輩を求めている。

 「俺以外の男の温もりは、今日で忘れさせるから」
 「私の体は…陽先輩だけしか…」
 「俺だけ…なのか?」

 陽先輩と別れてから、彼氏は出来ず、ずっと仕事に打ち込んで来たから…

 私が頷くと、愛おしそうに私を見つめて、微笑んだ。
 「そうか…」

 優しく包み込まれる陽先輩の温もりに、過去に囚われた私の心が、解きほぐされていく。
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