どちらとの恋を選びますか？【後編】～元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて

　私は、いつの間にか陽先輩の腕の中で、微睡んでいた。

　目を開けて陽先輩を見ると、動いた私に気付いて、
　「疲れただろ？ずっと傍にいるから、安心しておやすみ」
　額にキスをし、背中を優しく撫でる。

　夢…じゃないよね…
　目が覚めたら、私を優しく包み込んでくれる陽先輩がいる…
　
　「陽先輩は、眠らないの？」
　「…眠れないよ」
　「どうして？」
　「咲羅…そういうところ、変わらないな。俺の胸に耳を当ててみろよ」

　耳を当てると、大きく早く打つ鼓動…
　いつも冷静な陽先輩が…
　ドキドキ…してる…

　「分かったか？」
　「う、うん…私も同じだから」

　その言葉を聞いて、さっきまで穏やかだった陽先輩の目つきが、一気に獲物を捕らえる目に変わった。