どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 「夏目君…ごめん。夏目君の事は、好きだよ。仕事でも気が合うし。でも、彼氏として付き合えないの」
 「あの人…冬月部長を選んだ…それが答えなんだな?」
 「うん…」

 夏目君と陽を比べた…そういうわけじゃ無い…
 夏目君との過ごした時間の方が長い…
 陽が言ってた通り、陽とは違う絆がある。
 2人で過ごした時間は、掛け替えのない時間…
 それは、陽とも無かった時間だった…
 夏目君の事は…好き…

 でも…陽と過ごした短い時間、私は本気で陽を愛した。
 周りが見えないほどに夢中になった…
 いつも陽を目で追いかけたほどに…
 そして…過去にした記憶を、呼び起こしてしまった…
 
 「もし…あの人が現れなかったら…俺がもっと早く告白してたら、俺にも可能性はあった?」
 「それは…そうなっていたと思う」

 夏目君は、私をしばらく見つめて、
 「そっかぁ…あぁー、もっと早く告白してたらなぁー!」
 腰に手を当て、天井を見上げる夏目君。

 しばらくすると、私に笑顔を向けて、
 「分かった!ありがとう、返事聞かせてくれて。今からは、また同期として、相棒として頼むよ」
 そう言って、いつもの夏目君に戻っていた。

 「うん…こちらこそ」
 「俺、ちょっとアポのことで、訪問先に連絡するから、先に戻ってて」
 「じゃあ…席に戻るね」

 良かった…夏目君とまた、今まで通りに仕事が出来そうで。
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