どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 「あの、夏目君」
 「春風、俺、今から外出するから、午後からのアポは直接行くよ。荷物は、俺が持って行くから」

 鞄に荷物を詰めながら話すけど、私とは目を合わさない。
 「うん…分かった」
 そして、チームリーダーに声を掛けてから、
 「気にするなよ。いつも通りにな」
 横を通る時に囁いた後、部屋を出て行った。

 入社してからずっと、切磋琢磨して仕事に向き合って、共に助け合って、気兼ねなく話せて…

 頼りがいがあって、でも、助けてあげたくて…

 そして、私のこと理解してくれていて、凄く優しくて…

 夏目君との絆は、きっと誰とも違って、唯一無二の絆だ。

 私は我慢出来ずに、会議室に駆けこんで、しばらく溢れ出る涙が止まるまで、佇んでいた。

 午後からは、いつもの私に戻らないと…
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