どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 午後になり、待ち合わせ場所に行くと、夏目君は、今までと変わらず、明るく手を振ってくれていた。
 
 その姿を見て、目が潤んで胸が詰まった。
 私がそんな気持ちになったら…
 夏目君に申し訳ない…
 いつも通りの私でいないと…
 
 「お待たせ、夏目君」
 「俺も今来たところだから」
 変わらない2人の関係。

 「春風、こっち側歩けよ」
 「そうだね、いつもごめん」
 いつもと変わらない会話。
 ただ…

 いつもなら、腕を引いて、立ち位置を入れ替わっていたけど…
 もう、私に触れることは無かった。

 今までに無かった、2人の間に引かれた一線。
 これが、私が選択した結果なんだ。

 夏目君は、いつも私を見てくれていた…
 ありがとう、夏目君…
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