どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
【夏目君への思いで、陽への愛を知る】
 仕事が終わり、駅から家に向かっていると、陽から電話が掛かってきた。

 「咲羅、今から会えるか?」
 「うん、今、仕事の帰りで、もうすぐ家に着くから」
 「じゃあ、俺が見えるか?」

 マンションの前で、車の横に立って、手を振る陽が見えた。

 「見えるよ」
 手を振りながら、急いで駆け寄って行くと、
 「お疲れ様。少しいいかな…車に乗って」
 助手席のドアを開けて、私が乗ると、陽も運転席に座って、車を出すこと無く、話し出した。

 「どうしても、直接聞きたくて来たんだ。夏目さんに話をした?」
 「話す前に、キスマーク、見られちゃって」
 「そう、それで?」
 「話したよ。きちんと…付き合えないって伝えた…」

 会議室で話をした時の夏目君の表情と、1人で目を赤くして、隠していた姿を思い出す。
 初めて見た姿…
 色々な感情が混ざり合う。
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