どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 私は陽のマンションの前で、帰りを待っていた。
 何台も通り過ぎる車…

 どれくらい待っただろう…
 1台の車が目の前に止まって、顔を上げた。

 見覚えのある車…

 ドアガラスがゆっくり下がり、見えたのは、私の待ち人、陽だった。

 「咲羅…どうしたんだ?」
 「どうしても…今日、会いたくて」
 「…とにかく乗って」

 沈黙の車内の空気に、息が詰まりそうになる。
 やっぱり急に来たら、迷惑だよね…

 陽は車を駐めると、私の腕を引いて抱きしめた。
 「1人で危ないだろ!誰かに連れて行かれたら、どうするんだ!何故連絡しなかった!」

 抱きしめる力が強くなる。
 心配…して怒ってるんだ。

 「ごめんなさい…」
 「取りあえず、部屋に行こう」

 陽は体を離すと、外に出て、私の小さめのスーツケースを持って、何も言わず歩く。

 陽の後ろから付いて行き、部屋に着くと、そのままソファまで連れて行かれた。
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