どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 「会社で何か嫌な事でもあった?」
 「何も…無い」
 「この荷物…ここから会社に行く用意だろ?」
 「うん…勝手なことして、ごめんなさい」
 「勝手なことしても迷惑かけてもいい。ただ、心配なだけなんだ」

 大きな手で、優しく頭を撫でてくれた。
 それだけでも、体中に電気が流れるように、ゾクっとする。

 「咲羅が使えるようにクローゼット空けてるから、自由に使ったらいいよ。その間、俺、シャワー浴びてくるから、待ってて」

 私は、持って来た荷物を陽の言った通りに、自分の服や小物を置いていく。

 陽の部屋に…私の物が自然に置いてある事に、幸せで胸が熱くなる。
 
ソファに腰掛けて待っていると、シャワーを終え、着替えた陽が隣に座った。

 「金曜日に会えるのに…どうした?」
 覗き込むようにして私を見る、優しい微笑みと大好きな声に、もう感情が抑えられない。
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