どちらとの恋を選びますか?【後編】~元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて
 休日は、陽も私の家に来て、一緒に荷物を纏めるのを手伝ってくれた。

 「見られて困る物は、先に言えよ」
 「だから、そんな物、無いから!」
 陽は笑いながら、部屋に入ると、急に立ち止まった。

 「これって…」
 陽が見ていたのは、誕生日プレゼントに買って貰った、壁掛けの時計だった。
 「可愛いから…どうしても捨てられなくて」

 付き合っていた期間に訪れた、たった1度の誕生日。
 一緒に買い物に行って、ひと目見て、これだっ!って惹かれた。
 もっと高い物でもいいよと言われたけど…

 見た目もあったけど、陽と一緒に時を刻みたいから…その気持ちもあって、プレゼントに決めた。

 別れた時に、壊してしまおうとしたけど…
 どうしても出来なかった…
< 39 / 109 >

この作品をシェア

pagetop