どちらとの恋を選びますか？【後編】～元彼御曹司のとろ甘愛に溶かされて

　垣谷先輩に聞いた事実に、揺れ動いた思い…

　丁度良かった…
　いつまでも心の底でくすぶってる、陽先輩への未練を終わらせないと…
　今ここで…次に進むために…

　それを聞いた陽先輩は、寂しそうな顔で私を見つめていた。
　「もう1度、やり直せないか？」
　「えっ…」
　「咲羅にもっと触れたい。抱きしめたい。これからもずっと…」

　陽先輩が手を伸ばした時、突然いなくなった、あの日からの寂しさが込み上げて、体が勝手に動いて、一歩足を引いた。

　「咲羅…」
　「…あの時…目が覚めた時から、私がどんな思いで、苦しんだか…陽先輩には分からないでしょ？」

　過去のことだから、口に出さないように…
　会ってから、ずっと抑えていた言葉が、溢れ出してしまった。

　「未熟でごめん…まだ、大学2年の咲羅を、連れて行くわけにはいかなかった」
　「でも理由を言ってくれたら…会える日まで、ずっと待っているのに」
　「だからだよ。本当は待っていて欲しかった。でも、咲羅を傍で守ってあげられない。咲羅を…抱きしめられない。寂しい思いを、咲羅にさせたく無かった」